2011年12月23日金曜日

志らく→談春の幸せなハシゴは明け烏でシメ


at 浅草公会堂 「中外製薬presents がん撲滅チャリティ 立川談春 独演会」
2011年12月23日(祝・金)

志らく→談春、と、恐ろしく幸せな梯子。
そしてその後は浅草・大黒屋さんで天ぷらをいただきながら、至福の落語/文芸談義。こんな幸せなクリスマスは無いと思った。

志らく師匠は今日のシメで、お忙しい中、談春の独演会に行かずこちらに来てくださってありがとうございました。で笑いをとってシメた。先日のピンの時(かな?)から、同じ日に独演会バッティングしていることを気にして笑いにしていたので、今日も絶対言うだろうと思ってたけれど、談春さんはどう思っているんだろう。
志らく師匠の終わってから駆けつけたので、一席目を聴けなかったため、判らずじまい。

中入り後は『明け烏』。ふふふ素敵。
ただ!!どうしたのみなさん!?志らく師匠も声の調子が悪そうで掠れていたのですが、なんと談春さんも!!
あの良い声を聴くのも、楽しみにしているのに。
落語家さんで声に惚れるのは、馬生師匠と談春さんだわやっぱり。男の艶がある。菊之丞さんのような色っぽさの話じゃないの、ダンディなセクシーさなの。まあいいやこの話は。
談志家元、降りて来てるのかなあ。降りてくるのはアタマやココロだけにして、喉には降りないでくださいよ。。。(涙)

でもね。だんだんその声の調子が気にならなくなって来る。談春さんの明け烏の世界に惹き込まれる。
やっぱり各々のキャラクターの作り込みがしっかり出来ているから、ぐいぐいとね。堅物の若旦那を、私も多助のように面倒くさく感じてくるし。
郭の女将が「お巫女頭」に成りきらされて、最初は馬鹿にしていたが、若旦那が入ってくると遊女たちに「ほらあんたたち鈴鳴らして!しゃんしゃんっ」と言ってるのが可愛かった。談春さんは、キュートなのよねえ、そういう「ちょっとした可笑しみ」の表現が。
こういうことって、“愛される芸人”の秘訣だと思います!強く思う!
キュートだ、かわいい、っていうのは、上手いってのより愛されるよね。

たっぷり50分間。素晴らしかった。連れ合いも、今まで観た明け烏の中で最高だったと。
談春さんが本調子の時は、こんなもんじゃないぞと私は思う。


【開催日時】
2011年12月23日(祝・金)15:00開演

【出演者】
立川談春

【演目】
『替り目』
『明け烏』

富久+芝浜、重たい志らくで年越し


at よみうりホール
「リビング 立川志らく独演会」
2011年12月23日(金・祝)

今年最後の志らく師匠。だって師匠は以降ハワイに行くのだもの。
似合わないよね、ハワイ。
まあそれは家元と同じことなのだろう。談志とハワイって一見全く似つかわしくないように感じるが、ハワイでの談志の奇行の逸話は、読んでるととても面白いのよね。家元が好きなハワイに、行きたいのかな師匠は。邪推。
でも本当に何するのだろう。絶対海とか興味無さそうだし、 買い物は…まあ洋服は嫌いじゃないのか、でも相当好みが限定だしなあ。奥様も無理矢理連れて回る人でも無さそうだし…。
どうでもいいですねこんなこと。とにかく、家元に会いに行く旅なのだろう、と勝手に解釈。

今日は富久と芝浜!
先日高座後にお話した時にも気合い入ってる様子だった。「最近こういう重いのばっかり」と言いつつ、「やっぱり今年の年末は特にね」的に。家元亡き後、志らく師匠には求められる役割がある、ということだと思う。
「私はイリュージョンも聴きたいです!」と本音を言ったら、年明けは年内の反動か、軽いやつばっかりで行くらしいですよ!年明けはそんなんばっかり、と言っていた。確かに独演会じゃなく「新春寄せ」的なのが多いしね。ああ、そっちに早く行きたいよ。
やっぱり私の好みは、志らく師匠においては、イリュージョンやナンセンス。
志らくは談志の狂気の部分を継いでいるとの定説だが、そういうことじゃなくて、いやそうなんだけど、 何をやらせても狂気だから良いということはもちろん無くて、反対俥とかを最高に楽しく魅せてくれる志らく師匠の腕は凄くて感動しちゃうのよね。でも包丁や芝浜は、談春がやるからいいじゃないと思っちゃう、素人の私は。

でも先日『包丁』やった日のマクラで、談志が包丁はうまくできないので本物を呼びますと言って袖から圓生師匠?を呼んだ逸話があるが、やっぱり僕も包丁は難しいのでここで本物をっつって談春兄さんを呼んだら面白いんですけど、とぶってたが、そういう意外に素直な志らく師匠が私は大好き。って、何の話をしているんだ私は!

芝浜。そーねえ。私がひとつ可愛くて好きだったのは、芝の浜で顔洗ったあと、口まで漱いだ「うぇしょっぺっ!」って。ああここでなにかやるな〜という気配あったから来タ!って感じ。
あと演出面では、酔って寝た夫を起こし妻が嘘をつき始める最初は、たどたどしく演っていたこと。当然の如く、ではなく、妻の迷い・うろたえを表現したのだと思う。普通に考えりゃーそうよね。あんなにはっきりだまくらかせる役者な女房なんぞ普通いませんよね。と言うか、その後の3年後の暮れに、辛かったの迷ったの怖かったのあなたごめんなさい、と告白して泣く、その辛さが納得感出ないよね、さらっと嘘付けてたら。
てことで、正論、な演出。
あとは小ネタで、1時間早く起こされたことに気づいた勝さんが怒って女房に悪態つく場面で、こんにゃろ家ぇ帰って殴ってやる、面倒だからここに居ながらにして殴れねえかな腕びょ〜んと伸びて。って得意のアッパーカットというか目つぶしの素振り。女房に夢だと諭された場面でも「そうだよなあ腕びょ〜んと伸びてたもんなあ」って振り返ってた。ワンピース(ルフィ)読んだのかなって思った。それだけ。どうでもいいね。

【開催日時】
2011年12月23日(金・祝)13:30開演

【出演者】
立川志らく、ミッキー・カーティス(ゲスト)

【演目】
『富久』
『芝浜』

2011年12月13日火曜日

「志らくのピン 古典落語編」中村仲蔵にノックアウト!


at 大和田伝承ホール(渋谷)
「志らくのピン 古典落語編」
2011年12月13日(火)

家元談志が亡くなった後はじめての「ピン」。何で来るかと思ったら、重い重い、包丁と中村仲蔵!
中村仲蔵!?驚いた。志らく師匠、こんなのやるんだ!へえーーーー。
仲蔵は、東劇でやった「落語研究会 昭和の名人 弐」で林家正蔵の(昭和47年の高座だそう!)を観て、出世話ぽいのに滅法面白いなあ〜さすが名人と感心した根田です。

包丁は。ご本人もたぶんまだまだと思ってると思うけど。
私にとっては、不要かなと思った。
今年、談春さんの包丁を聴いちゃってる私にとっては、志らく師匠に別に包丁をやって欲しくはない。
家元が難しいと言っている根田をやりたいのだと思うけど。志らく師匠の醍醐味は、こういう根田には宿らないと思う。勝手なファン心理。
マクラで既に、談志が自分の高座で稽古したけど難しくて出来なかったので本物を呼びますと言って圓生師匠を袖から呼んで噺をしてもらったという逸話があるので、わたしも本物をと言って談春兄さんを呼んだら面白いよね、と茶化していたが。負けを認めて茶化しそれでも挑む、そういう気概/ユーモアは志らく師匠らしいけど。けど。

が、中村仲蔵にはやられました。
素敵だった。良かった。
山賊の定九郎役の格好よさ・男前ぶりを表現する時の「ざあ〜っ」とか、舞台上で切られて口から血を流す場面とかの擬音語の表現や、その所作が、志らく師匠、格好良かった。イリュージョンでもナンセンスでもなく普通の古典を真摯にやって、オリジナルギャグを入れなくても、二枚目キャラじゃない志らく師匠がとても格好良く見える、話の良さが引き立つ、そんな、立派な高座だったと思いました。

【開催日時】
2011年12月13日(火)19:30開演

【出演者】
立川志らく

【演目】
開口一番『野ざらし』志らべ
『包丁』志らく
お仲入り
『中村仲蔵』志らく

2011年11月27日日曜日

敬愛するマエストロのサントリーホールデビュー

at サントリーホール
『パーヴォ・ヤルヴィ、パリ管弦楽団』
 2011年11月26日

私の愛するマエストロが、遂にサントリーホールで。この日をずっと待ってた。ブレーメン(ドイツ・カンマーフィル)が大好きだったけれど、パリ管とのコンビ、素晴らしい!相変わらず一緒に作り上げてる感じがする。
先週NHKホールでのペトルーシュカに驚き、横浜での幻想ベルリオーズに感激。今日のサントリーも幻想+ウェーバー「魔弾の射手」序曲。これも楽しかった。メンデルスゾーンのViコンチェルトは、私が諏訪内さんに興味が無いので残念。
明日はラヴェルのピアコンと、またペトルーシュカ!

Du Nouveau Mondeだけど(Dvorák9番)、パリ管弦楽団とパーヴォ・ヤルヴィの美しい響きをぜひちら見してください!

Neuvième Symphonie de Dvorák
http://www.youtube.com/watch?v=jfkWhZgo-7w&feature=colike



【開催日時】
2011年11月26日(土)19:00開演

【出演者】
指揮:パーヴォ・ヤルヴィ
ヴァイオリン:諏訪内晶子
パリ管弦楽団

【演目】
ウェーバー:オペラ「魔弾の射手」序曲
メンデルスゾーン:ヴァイオリン協奏曲 ホ短調 op.64
ベルリオーズ:幻想交響曲 op.14


2011年11月22日火曜日

志らく連夜

at 赤坂区民センター
「みなと毎月落語会 志らく・喬太郎 二人会」
 2011年11月22日(火)



二晩連続志らく。でも、仕事が押して、またも遅刻、さいてい。
志らく師匠の一席目は『疝気の虫』をやったとのこと…うわー悔しすぎる聞き逃し。

喬太郎さんは白鳥さん作の『任侠流山動物園』を。SWAって、こう、仲間の創作落語を交換こして演るんだよね。もちろん初めて聴いたけど。
全然、普通に、怖い感じとか喬太郎さんっぽかったので、もう何度も演って自分の根田にしてるんだろうね。知らないけど(笑)。
饅頭怖いは楽しかったです。ロウテンションのセイさん?(饅頭怖い人)のロウな饅頭の食べ方、おもしろかった!騙される友人たちもみんな穏やか。

鼠穴。昨日の独演会のまくらで、志らくの鼠穴は、談春の鼠穴は、って話をしてたけど、まさかまさか今日それを演るとは…。
ごめんなさい。昨日の三席のインパクトが胸に残りすぎていて、今日の鼠穴は私のココロに入って来ませんでした。もちろん、夢の中の冷徹な兄など、見せ場は面白かったけれど、ハナちゃんのいじらしさにも、全く涙腺がゆるまず。今日は人情話とかじゃなく、ナンセンスとかイリュージョンとかシネマとか、そんな師匠を聴きたかったんだろうな、私。
あと時間が無いため、マクラ無しってのも、満足度低めた理由か!?

でもでも!「あれ。連日。ありがと」と言ってくれた師匠。照れた笑顔の師匠。相変わらず歩いて来る帰る師匠。大好きだっっ!!!

今晩は家元の疝気の虫を聴くとするか。

【開催日時】
2011年11月22日(火)19:00開演

【出演者】
立川志らく、柳家喬太郎

【演目】
『まぬけ泥』らく平
『疝気の虫』志らく
『任侠流山動物園』喬太郎
中入り
『饅頭怖い』喬太郎
『鼠穴』志らく

2011年11月21日月曜日

「志らくのピン 古典落語編」11月、可愛い夫の『代り目』ホラー『鰍沢』

at 大和田伝承ホール(渋谷)
 「志らくのピン 古典落語編」
 2011年11月21日(月)

月に一度の「志らくのピン 古典落語編」。
この「ピン」は、志らく師匠の噺が三席も聴けるから本当にお得。

志らく師匠のチケットは即完売のイメージがあるけど、ピンの大和田伝承ホールはキャパ339席。満席ではない。これが師匠の狙いで、当日落語行こうか、と思った方もふらっと来れる環境を作りたいという志らく師匠の意図だそう。8割9割の入りで、意図通りの展開になってるということですね。

らく次さんの『金の大黒』。絶対前にも聴いたと思うんだよなーこの方のこの根田。でもいつだろう…。つい最近かと思って先日と同じ根田ですよね?と聴いたら、「この間は違いますよ」と言われちゃった。ああそうだ、引越の夢だった。その日は3時まで飲んだらしい。談春師匠、恐るべし!

今日の一席目は、落合好きの志らく師匠、何故落合が好きかについて自分と同じ変わり者だからといった話や、チームが好きか個人が好きかといった応援論、そして中日ドラゴンズの本拠地名古屋に観戦に行った際の応援の喧しさ、大リーグの観戦席と比べ、終いに客席の野次ってえのは面白くて…って話から、酔っぱらいとは面白いもんで、で『代り目』に。
前にも書いてますが、志らく師匠の女性の表現ってのは、かわいらしいんですよ。いじらしい。今回この話の女房はさっぱりかわいらしく無い。代わりに、夫が可愛い。可愛くない女房をね、本当はうちのおっかあ可愛いトコロあるんだよ、って語るのが、愛に溢れてて可愛い。
とにかく、志らく師匠のカップルの愛情表現は、いいなあ〜。

二席目の『宿屋の富』はイリュージョン系。いつもの江戸っ子の「えぇいっ」とか「吹き矢」を見れて今日も幸せ噛みしめる。富くじが外れてがっかりする町人が、唇が外れてぷるぷるぷるぷるぷるって宙を飛んでたりする。ぷるぷるぷるぷるって!ああ楽しい。

あ、志らく師匠に言わせると(著作にも書いてるし、よく仰ってるけど)、映画の評論でタチの悪いのは映画の筋を説明する輩。語ることが無いから筋を書く、評論でも何でも無い最悪だ。と。そりゃそうですよね。で私、今、志らく師匠の落語で何が起きたか(つまり筋)説明してる。最悪ですね。ふふふ。

中入り後の『鰍沢』は、ファンタジックサスペンスホラー。
終盤の情景が見えるような表現は、さすが無類の映画好きで演劇もやってる師匠だからこそのアレンジ。断崖絶壁、眼下の激流から吹き上げる風にざんばら髪を逆立てられたお熊が、火縄銃を手ににやりと笑う映像、浮かんだ!!
それにしてもお熊、心中から生き残っただけでも凄いのに、額に銃弾受けても生き残る(生まれ変わる?乗り移る?)なんて、復活し過ぎじゃない!?ホラー映画だ〜。

高座後、ぴあのTさんとおしゃべりの際に、演劇、映画、歌謡…志らく師匠の幅の広さって素敵だよねという話になるが、今日の鰍沢の表現って、本当にハリウッド映画にありそうだもの、志らく師匠ならではだと思うんだよなあ。
落語素人・志らく素人の私の感想なのでアテにならないが、志らく師匠の全ての活動が全部落語の奥行きに繋がってるんだなって、改めて感激。

聴き比べたくて、家に帰って志ん生の鰍沢を聴く。

【余談】
こ〜〜んなに嬉しいことは無い。ピンのプログラムには志らく師匠の1ヶ月の一行日記が書いてあるのだけど、今日は11月21日だから、10月14日から11月19日までの日記が書いてある。10月25日の日記は、なんと私の仕事の話!!10月15日はぴあのTさん主催の落語会の話が。「嬉しいですよね〜〜」と言い合い、帰った。幸せです。


【開催日時】
2011年11月21日(月)19:30開演

【出演者】
立川志らく

【演目】
『金の大黒』らく次
『代り目』志らく
『宿屋の富』志らく
中入り
『鰍沢』志らく
【公演の詳細】
http://www.shiraku.net/?p=1447

2011年11月20日日曜日

日本におけるヤルヴィのホーム、横浜にて 生き生きとした『幻想』

at 横浜みなとみらいホール
「パーヴォ・ヤルヴィ指揮/パリ管弦楽団」
 2011年11月20日(日)

大好きなヤルヴィ、待望の日本ツアー。春に書きましたが、今年はパリ管を率いてですので、地方公演も多いし、東京公演も充実、何と言ってもプログラム数が、凄い。9曲かな?フランス人作曲家だけでなく、多彩。
地方までは流石に行けませんが、東京/横浜を全部行くと、もちろん全演目聴けます、嬉しい。ふふふふふ。

ヤルヴィと縁の深い横浜みなとみらいホール。シューボックス型の美しい響きのホールに広がったパリ管の音。素晴らしかったー。
ビゼーのシンフォニー1番、私は生で聴いたの初めて。すっごい美しかった。ザ、ロマン派〜って感じのロマンティック見せ場がんがんっなのを、ヤルヴィのあの小刻みに身体を振るわせながら情熱的に盛り上げるオーケストレイションにぴっったり!

ベルリオーズの幻想は、一緒に行った方が、今まで4度ほど聴いてるけど、今まででベスト!と言い切った出来。いろいろな楽器構成の展開があるこの曲、やりたいこと、伝えたいことがたっくさんあるヤルヴィの指揮に、そして人生楽しみたいパリ人のオケに(…勝手に定義・笑)ぴったりなんじゃないの!?なんとも鮮やかな生き生きとした幻想!
あー楽しかったっ。

アンコールは、前の晩と同じ ビゼー「“子供の遊び”より舞踏会(ギャロップ)」、に加え、シベリウス「悲しきワルツ」。
横浜のお客さんは、本当にヤルヴィにあたたかいの。今年も、オケがみんな退場しても拍手は鳴り止まず、みんな前のほうの席に移動。しばらく拍手を続けていたら、ヤルヴィが再度舞台に出て来てくれて挨拶、でシメ。


【開催日時】
2011年11月20日(日)14:00開演

【出演者】
指揮:パーヴォ・ヤルヴィ
クラリネット:パスカル・モラゲス
パリ管弦楽団

【曲目】
ビゼー:交響曲第1番ハ長調
ドビュッシー:クラリネットと管弦楽のための狂詩曲第1番
ベルリオーズ:幻想交響曲 op.14 全楽章

【公演の詳細】
http://www.yaf.or.jp/mmh/recommend/2011/06/post-101.php

公演のチラシ

タン・ドゥンの現代組曲、明暗分かれたソリスト

at サントリーホール
「サントリーホール フェスティバル ファイナルコンサート
 譚盾/マーシャルアーツ三部作~映像付き演奏会」
 2011年11月20日(日)

一日にうん万円のオケを2公演も梯子するってのは、流石に私もなかなかやりませんがね。
みなとみらいホールにサントリーホールとは!ヴィンヤードの最高峰とシューボックスの最高峰。うーんなんとも贅沢。
昼はロマン派、夜は現代。すごいね。しかも映像付きコンサートだよ?邪魔だけど(後述)。

サントリーホールの25周年を記念したフェスティバルのファイナルを飾る組曲です。2010年の上海万博で初演し、その後ニューヨークでも演奏、この東京が3回目なのだそう。
タン・ドゥンの指揮って初めて見ましたが、いかにもニューヨークのインテリって感じがする。私だけかなあ。

ソリスト達は、明暗分かれたように私には思える。
五嶋龍くんは当たり。彼の持ち味が生きた楽曲だったと思った。そう、ものにしてた。
若いチッケーゼくんは、可哀相かも。もともとヨーヨー・マを想定して描かれた楽曲。この若者には未だ手に負えないのでは、と思えた。
でも、ヨーヨーマとこの若者じゃしょうがないよね、と誰もが思えると思うのだけど、私の大好きなユンディが最も可哀相なパターン。
この楽曲、そもそもソリストが生きる曲じゃ無いでしょ、ぜんぜん!!!しかもランラン想定で描かれた楽曲だと!?それを繊細なショパンを大得意とする、私のキラキラくんユンディに弾かせるなんて、ミスキャストもいいところ。
こんな曲、低音も高温もガンっガンっと格好付けて派手なパフォーマンスで叩き付けちゃうランランに弾かせておくぶんには良いけど、ユンディやベレゾフスキーや私の好きなタイプのキラキラピアニストが弾く意味、ゼロじゃん。

演奏後のユンディも申し訳無さそうな感じ。彼が弾き込んで無い感じも、明白だった。彼の手元がピアノの上で躊躇するのなんて、見たくなかったよ。
くっそお。不満だね。
客寄せパンダなのは分かってる(ユンディの公演でいつもGUCCIのプレゼントを舞台で渡すおばさまがきちんとピンクドレス来て客席から登場)。でもさ、もうちょっと考えてよ。パンダならランラン使えばいいじゃん。お後がよろしいようで。(落語のオチのつもりー!)

ちなみに、楽曲自体は素晴らしかったです。もうちょっと練ってちゃんとした組曲にすれば良いと思う。
VJ入れた映像は、しょせん映画のストーリーを追わせているので(チャン・イーモウのHERO、アン・リーのグリーン・デスティニー、フォン・シャオガンの女帝。私3作品全部観てたわ、へえ〜)、映像あったらそっち観ちゃって、演奏会なのに邪魔だなあって思っちゃう。
途中から、ああこれはオペラなんだって思うようにしたけどね。舞台を観て音楽を聴く、両方一緒にやるものだ、と。

【開催日時】
2011年11月20日(日)18:30開演

【出演者】
指揮:譚盾
出演:五嶋龍(Vn)、アメデオ・チッケーゼ(Vc)、ユンディ・リ(Pf)
合唱明治学院バッハ・アカデミー合唱団、聖心女子大学グリークラブ
演奏:東京フィルハーモニー交響楽団

【曲目】
譚盾(タン・ドゥン)
: 映画「英雄(ヒーロー)」協奏曲~ヴァイオリンのための
: 映画「グリーン・ディスティニー」協奏曲~チェロのための
: 映画「女帝(エンペラー)」協奏曲~ピアノと合唱のための

【公演の詳細】
http://www.suntory.co.jp/suntoryhall/sponsor/111120.html

2011年11月19日土曜日

ヤルヴィの日本ツアースタート 『ペトルーシュカ』でバレエ・リュスに思いを馳せる

at NHKホール
「NHK音楽祭2011 パーヴォ・ヤルヴィ指揮/パリ管弦楽団/ダン・タイソン」
 2011年11月19日(土)

パーヴォ・ヤルヴィの日本ツアー初日。半年以上前から待っていた日。

大嫌いなNHKホールも、ヤルヴィのためならタクシー飛ばします、たとえ雨の中風の中。そう、雨風だったの。私の旅の相棒・グローブトロッターのサファリ(スーツケース)がずぶ濡れました…。

ストラヴィンスキーのペトルーシュカ!思いもかけず、とてもとても楽しかった。本当にバレエの舞台が目に浮かぶようで、素晴らしく歌っていた。情景が浮かぶの!すごいヤルヴィ〜、これがパリ管の力!?…と思って聴いていたら…。
翌日横浜で日本ツアーパンフレットを読んでびっくり。
ヤルヴィは駆け出しの頃、さんざんバレエ舞台で振って勉強したそうで、ペトルーシュカを山ほど演奏したとのこと!
なるほどー。手慣れたものだったのね!?

楽しい動きや哀愁の表情など、多彩な喜怒哀楽表現が満載のこの曲、パリ管のエスプリにぴったり!と勝手にも思っていて、さらに私はストラヴィンスキーでパリと言えばゲルギエフ、バレエ・リュス、ピカソの舞台美術…とか考えていたら、なんと!これもパンフレット読んでびっくりだったのだけど、ヤルヴィがちゃんとバレエ・リュスについて言及していて、その1900年初頭の空気を大切にしつつ、1947年版を演奏するにあたってはさらに流れを良くするような工夫を施し…的なことが書いてあった。
いやーさすが風雲児、インテリジェントなヤルヴィ。もう、ますます大好きに。

また遅刻しちゃってね、メシアン聴けなかった。読響+カンブルランのと、聴き比べてみたかったなあ。

余談。
昨年のNHK音楽祭のヤルヴィの後も、帰りのバスでご一緒になった年配の女性と今聴いた衝撃的な音楽について感激し合って渋谷駅まで帰ったのだけれど、今年も同じことが起きた。ヤルヴィの音楽は、人を饒舌にするのだね。それって、すごいことだと思いませんか?年代もバックグラウンドも全く違う初対面の赤の他人と、語り合えるんですよ?彼女もペトルーシュカの魅力に、参ってました。


【開催日時】
2011年11月19日(土) 18:00開演

【出演者】
指揮:パーヴォ・ヤルヴィ
ピアノ:ダン・タイ・ソン
パリ管弦楽団

【曲目】
メシアン/忘れられたささげもの
シューマン/ピアノ協奏曲 イ短調 作品54
ストラヴィンスキー/バレエ音楽 「ペトルーシカ」
《ソリストアンコール》
ショパン/マズルカ 作品17-4
《オーケストラアンコール》
ビゼー/小組曲「こどもの遊び」から「舞踏会」

【公演の詳細】
http://www.nhk-p.co.jp/concert/20111119_131241.html
http://www.nhk-p.co.jp/concert/20111119_170243.html

2011年11月10日木曜日

NHK音楽祭 キーシンのショパコンとラフマの交響曲2番

at NHKホール
「NHK音楽祭2011 ウラディーミル・アシュケナージ指揮/シドニー交響楽団/エフゲーニ・キーシン」
 2011年11月10日(木)

キーシンの来日が、久しぶりだと?日本でのコンチェルトは22年ぶり?
へー。
好き嫌いを超越して「上手い人ってすごいんだなあ」と思わずにはいられない演奏。ただただ完璧、みたいな。興味無いけれど。

【開催日時】
2011年11月10日(木)19:00開演

【出演者】
指揮:ウラディーミル・アシュケナージ
ピアノ:エフゲーニ・キーシン
シドニー交響楽団

【曲目】
ショパン/ピアノ協奏曲第1番 ホ短調 作品11
ラフマニノフ/交響曲第2番 ホ短調 作品27
《ソリストアンコール》
ショパン/スケルツォ 第2番 変ロ短調 作品31
ショパン/ワルツ 第6番 変ニ長調 作品64 第1 「小犬」
《オーケストラアンコール》
フェルヘルスト/日本に捧ぐ歌 A Song For Japan  

【公演の詳細】
http://www.nhk-p.co.jp/concert/20111110_125522.html
http://www.nhk-p.co.jp/concert/20111119_170243.html

2011年11月7日月曜日

SWAクリエイティブ 古典落語のその後の話=野暮

at 新宿明治安田生命ホール
『SWAクリエイティブツアー「古典アフター」』
2011年11月7日

たまにはこんな日も。私のアタマとココロがからっぽなので、SWAファンの熱気が熱い客席は、ちょっと面倒だなって思ってしまったけれど。昇太さんのたいこもちが「あ〜れ〜」って回るのとか、面白かったけどさ。
喬太郎さんがアフタートークで、でもさ古典落語はそこで終わってるから粋なんで、後日談をやるなんて野暮なんだよね、ってことが分かった、とか言っちゃって他の3人が「あわわ」って感じだったのも、面白かったけどさ。

【開催日時】
2011年11月7日 14:00開演

【出演者】
三遊亭白鳥、柳家喬太郎、林家彦いち、春風亭昇太

【演目】
「かわうそ島の花嫁さん」~大工調べ改作 三遊亭白鳥
「本当は怖い松竹梅」~松竹梅その後 柳家喬太郎
仲入り
「厩大火事」~厩火事その後 林家彦いち
「本当に怖い愛宕山」~愛宕山その後 春風亭昇太

2011年11月2日水曜日

談春の包丁と若手へのまなざし


at 新文芸坐(池袋) 
「第27回 新文芸坐落語会 新文芸坐落語会二周年記念 看板と若手たち」
2011年11月2日(水)

久方ぶりの談春さん。やっぱりかっこいい。包丁、すごい!
清元のお師匠さんである堅物の女房の、夫が裏切り自分を騙して女郎屋に売っぱらおうと画策したことが判った途端の、突如の色っぽさが、その変わり身の速さに真実味を加えると言いますか。
それ以前が全くかわいげが無いだけに、やるなあ…!感がある。

談春さんはしょっちゅうマクラで若手や若者のダメさを嘆いているが、本当に、この噺を舞台袖で聴いていて、ちゃんと君たちはこの貴重さを感じているかい!?と私が言いたくなる。こんな噺が出来るようになりたいと、ちゃんと思ってる!?と。いや、出来ないんだけど凡人には。それでも、近づきたいと思って食い入るように聴いてるかい?と、心配しちゃうよ私も。

【演目】
『引っ越しの夢』立川らく次
『看板のピン』立川志の吉
『だくだく』立川談修
中入り
『包丁』立川談春

2011年5月17日火曜日

読んだ。読むべき。読む。books to read 02.Classical Music

【音楽批評】
"私の好きな曲ー吉田秀和コレクション (ちくま文庫)" 吉田 秀和
"世界の指揮者ー吉田秀和コレクション (ちくま文庫)" 吉田 秀和
"ベートーヴェンの交響曲 (講談社現代新書)" 金 聖響

【オーケストラ】
"オーケストラ楽器別人間学 (新潮文庫)" 茂木 大輔
"オーケストラの読みかた?スコア・リーディング入門" 池辺 晋一郎

【名盤紹介】
"クラシック音楽の楽しみ方完全ガイドCD2枚付ー主要楽曲150曲以上を紹介入門書を超えた充実度" 江森 一夫
"一年でクラシック通になる (生活人新書)" 山本 一太
"クラシックBOOKーこの一冊で読んで聴いて10倍楽しめる! (王様文庫)" 飯尾 洋一

【音楽マネジメント】
"オーケストラの経営学" 大木 裕子
"「マエストロ、時間です」ーサントリーホールステージマネージャー物語" 宮崎 隆男

【音楽その他】
"ゲルギエフとサンクトペテルブルグの奇蹟ーマリインスキー劇場のサバイバルと挑戦" ジョン アードイン

読んだ。読むべき。読む。books to read 01.Fine Art

【美術館】
"日経 五つ星の美術館" 日本経済新聞社
"日本縦断 個性派美術館への旅 (Shotor Museum)" なかやま あきこ
"博物館学への招待 (文庫クセジュ)" リュック ブノワ
"超・美術館革命?金沢21世紀美術館の挑戦 (角川oneテーマ21)"蓑 豊

【現代アート】
"その絵、いくら? 現代アートの相場がわかる (THEORY BOOKS)" 小山 登美夫
"現代アートビジネス (アスキー新書 61)" 小山 登美夫

【アートマネジメント】
"芸術の売り方??劇場を満員にするマーケティング" ジョアン シェフ バーンスタイン
"アート・インダストリー?究極のコモディティーを求めて (Arts and Culture Library)" 辛 美沙
"進化するアートコミュニケーション?ヘルスケアの現場に介入するアーティストたち" 林 容子


2011年5月16日月曜日

読響 オール・ドヴォルザーク・プログラム

at サントリーホール
『第538回サントリーホール名曲シリーズ』
2011年5月16日(月)

今日の読響《オール・ドヴォルザーク・プログラム》、前半は辛かったなー。マーツァルで聴けなかったのも残念だし。感想→http://twitter.com/makisato
今日のコンマスは小森谷氏で、読響コンマス小森谷氏と言えば、来週は下野さんや広上さんが振り、ピアニスト・辻井伸行氏もラフマを弾く「がんばろう!日本 スーパーオーケストラ 東日本大震災復興支援チャリティーコンサート」とやらがある。
「スーパーオーケストラ」って何?「有名ソリストや国内のオーケストラで活躍する演奏家有志によるオーケストラ」とある。ふうん、私のお気に入りのあの楽団員も出るかなあ…。
初日でチケ完売だったらしい。楽しんで来ま〜す。

【開催日時】
2011年5月16日(月) 19:00開演

【出演者】
指揮:ペトル・ヴロンスキー
ヴァイオリン:アラベラ・美歩・シュタインバッハー
読売日響

【曲目】第538回サントリーホール名曲シリーズ
ドヴォルザーク/序曲〈謝肉祭〉作品92
ドヴォルザーク/ヴァイオリン協奏曲 イ短調 作品53
ドヴォルザーク/交響曲 第8番 ト長調 作品88

【公演の詳細】
http://yomikyo.or.jp/2010/09/201105161900.php

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【毎日新聞社「生きる」特別企画】 がんばろう!日本 スーパーオーケストラ 東日本大震災復興支援チャリティーコンサート
■日時:5月24日19:00開演
■会場:サントリーホール
■予定曲目/出演者
◇バッハ「最愛なるイエスよ、われらここに集いて」
オルガン:室住素子
◇ベートーヴェン:歌劇「フィデリオ」序曲
指揮:高関健
◇ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第二番より、第三楽章
ピアノ:辻井伸行
指揮:広上淳一
◇ドヴォルザーク:交響曲第九番「新世界より」
指揮:下野竜也
コンサートマスター:小森谷巧(読売日響コンサートマスター)
演奏:スーパーオーケストラ
司会:小倉弘子(TBSアナウンサー)、小森谷徹(キャスター)
■詳細:http://classical.eplus2.jp/article/200086326.html

2011年5月15日日曜日

ポンペイ展~世界遺産 古代ローマ文明の奇跡~

at 仙台市博物館
『ポンペイ展~世界遺産 古代ローマ文明の奇跡~』
2011年4月29日(金)~ 6月5日(日)

浜美で行っていたポンペイ展の仙台巡回展。久しぶりの仙台市博物館。
古代ギリシャ時代、ポンペイの街から10km(だったかな?)ヴェスヴィオ山の大噴火は、後世のためには(もちろん当時は悲劇だが)最高の奇跡だったそう。一昼夜にして火山灰がポンペイの街を覆い尽くし、その後1700年?もの間埋没していたからこそ、完璧な形で遺跡が残ったとのこと。
確かに出土品はどれも本当に2000年前?と疑うような完全なフォルム、鮮やかな色彩。もろいガラス器や風化劣化しやすい青銅や壁画、金のアクセサリーなどが、完璧な美しさで現代に在る。
古代人の美的感覚や肉体美、技術の確かさなどあらゆる叡智に感動した。特に印象に残ってるのは美術・工芸作品より、医療機器。けっこう精巧なものを使ってたみたいだけど、薬学は現代ほどでは無いだろうに、どこまで手術とか出来たんだろう…興味あり。娘は蛇を象った金のバングル(腕輪)や、エメラルド入りの金の指輪などの装飾品がお気に入り。




【展覧会詳細】
http://www.ntv.co.jp/pompei/outline/index.html
http://www.city.sendai.jp/kyouiku/museum/tenrankai/index.html

2011年5月14日土曜日

小山実稚恵さん慰問コンサート

at 仙台市立片平小学校 体育館

母校「仙台市立片平小学校」で小山実稚恵さんピアノコンサート。体育館のグランドピアノで、という無茶、しかも客席がら空きで申し訳ない感じだけど、被災地への慰問のためだと思う。企画運営は(たぶん)仙台国際音楽コンクールのボランティアスタッフ。その意味で素晴らしい取り組みだと思います。
素人鑑賞者に向けての、ショパンを始めとした有名曲だけでの構成。
もちろん私にとってはつまらないけど、間に挟む彼女のお話が、優しく深い人柄を感じさせるもので、地元の方々にとっては最高の1時間だったのでは。
宮城の7会場くらいで行うらしい。
http://machico.mu/topic/1000888

【演目】※私の記憶によるため、正確性はありません。
・Chopin / Nocturne no.20 遺作
・Chopin / Waltz(何かな…)
・Chopin / Etude 革命
・Chopin / Nocturne no.2
・Chopin / 子犬のワルツ
・Chopin / Polonaise 英雄
・Beethoven / エリーゼのために
・Mozart / トルコ行進曲
・Liszt / 愛の夢 第3番 変イ長調 「おお、愛しうる限り愛せ」
・Liszt / La Campanella(鐘)

【仙台国際音楽コンクール】
http://www.simc.jp/index_j.html

2011年5月8日日曜日

『森と芸術 FOREST AND ART』展@庭園美術館

at 目黒区庭園美術館
『森と芸術 FOREST AND ART』展
2011年4月16日(土)〜7月3日(日) 第2第4水曜休館

黄金週間最終日、快晴の東京。
この天気のもと出かける場所として思い浮かんだのは「岡本太郎記念館」「庭園美術館」「浜離宮恩賜公園」の3カ所。恋人が日経の記事でこの「森と芸術」展を見つけたらしく興味を示したので、選択。
原罪の楽園からメルヘンな絵本の世界、シュルレアリスムの森など、さまざまな「森」を切り口にした展覧会。構成が面白いのと、解説がとっても平易でしかもふんだんに展示されているので、誰にでも楽しめる展覧会だと思う。
快晴の庭園では、寝転び読書の20代男子や、シートを敷いて昼寝の外国人カップルや子連れなど、くつろぎの週末の様子を見ているだけで和んだ。私たちのくつろぎはカフェのテラスでビールでしたけど。
展覧会の図録はしっかりした書籍で、思わず購入。

【展覧会詳細】
http://www.teien-art-museum.ne.jp/exhibition/mori/index.html

『アンノウン UNKNOWN』

2011年5月5日木曜日

『シュルレアリスム展』@新美術館

at 国立新美術館
『シュルレアリスム展―パリ、ポンピドゥセンター所蔵作品による―』
Le Surréalisme: Exposition organisée par le Centre Pompidou à partir de sa collection
2011年2月9日(水)〜5月15日(日)

一度目はパリ生まれの恋人と、二度目の今回は一目ポスターを見て「行きたい!」の嵐の娘に押されての来訪。
こんなキャラが応援してたりと、おもろコラボ。リサはポンピドゥに住んでるからなー。娘とパリに行った際に、ポンピドゥで探したっけ。
こども用にワークシートのようなものも配布していました。地下のカフェではアニメビデオを流しっぱなしで、ランチ時娘は一言も喋りませんでした。
展覧会はさすがのコレクション、豪華でした。お腹いっぱい。個人的にはガラスケース入りのブルトンの雑誌(例えばミノタウロス)や展覧会のフライヤーのデザインがかっこ良くて好き。書簡はほとんど無かったな。

【展覧会詳細】
http://www.sur2011.jp/
http://www.nact.jp/exhibition_special/2011/surrealisme/index.html

2011年5月4日水曜日

『光と、闇と、レンブラント』@国立西洋美術館 / 上野

at 国立西洋美術館(上野)
『レンブラント 光の探求/闇の誘惑』
2011年3月12日(土)~6月12日(日)

油彩が7点くらいも来るってなかなかすごいーと思って観に行ったら。メインは版画なのね。
同じ作品のいくつものステートを同時展示して手を加えた様子を明らかにしていたり、用紙違いの印刷を並べて展示したりと、かなりマニアな面白い視点を非常に一般的に上手く提示してくれました。
日テレ+読売、お金かけてて豪華です。ショップでのショッパー(買い物袋)が、ポストカード用の小さな封筒まで、両面印刷だもん(笑)。1/1cではあるけどさ、量が半端なく必要な訳です、2色使えるって豪華よー。




【展覧会詳細】
http://www.ntv.co.jp/rembrandt/
http://www.nmwa.go.jp/jp/exhibitions/rembrandt201103.html

2011年4月25日月曜日

読響、名曲シリーズ カンブルラン指揮オールチェコプログラム

at サントリーホール Suntory Hall

残念ながらモーツアルトは退屈だったなあ相変わらず。チェコプラグラムに交響曲プラハを持ってくるのって、妥当なの?素人の私には分からない。ヤナーチェクの狂詩曲は面白かった!村上の1Q84で一躍有名になったシンフォニエッタも、私はSONYのジョージ・セル&クリーブランド管の盤しか聴いたことが無いので、もっと強い曲の印象だったけど、今日のは楽しかったな。

【開催日時】
2011年4月25日(月) 19:00開演

【出演者】
指揮:シルヴァン・カンブルラン
読売日響

【曲目】第537回サントリーホール名曲シリーズ
モーツァルト/交響曲 第38番 ニ長調 K.504 〈プラハ〉
ヤナーチェク/狂詩曲〈タラス・ブーリバ〉
スメタナ/連作交響詩〈わが祖国〉から 交響詩〈モルダウ〉
ヤナーチェク/シンフォニエッタ

【公演の詳細】
http://yomikyo.or.jp/2010/09/201104251900.php

2011年4月21日木曜日

今一番の悩み。ヤルヴィ日本ツアー2011のお値段。

今年の11月も、パーヴォ・ヤルヴィがやってくる。
昨年10月の幸せなヤルヴィウィークからたった5ヶ月強で、またヤルヴィに会う日のことを考えられるなんて、これぞ幸せだ。

でも、今回の悩みは深いぞ。

前回、ヤルヴィ+カンマーの全行程を全く把握していなかったばっかりに、あやうくオペラシティでのシューマン・ティクルスを聴き逃しそうになったことをふまえ、次回は予め、全ての公演を先行予約にて最高の座席を確保しないと、絶対に後悔する。

ラインナップが発表になりつつあるけど、本当にこれで網羅出来ているのかが不安。興行主が様々だから、一カ所に情報が集約されていない。
…と思っていたら。KAJIMOTOに全部掲載されていました!1ヶ月前は無かった情報ですが。KAJIMOTOさんありがとう。


【パリ管弦楽団 2011年11月 来日ツアー】
パーヴォ・ヤルヴィ(指揮)
諏訪内晶子(ヴァイオリン)、ダン・タイ・ソン(ピアノ)、ダヴィッド・フレイ(ピアノ)
http://www.kajimotomusic.com/concert/index.php?main_content_exp=460

地方は郡山、福岡、京都、宮崎ですか。完売は難しいのではないかなあ。
プログラムA〜Fまでありますが、東京/横浜は全部行くつもりなので、全ての曲目を網羅できそうです。ああ良かった。
それにしてもすごい曲数。さすがパリ管。

1)11/26土 富士電機スーパーコンサート@サントリーホール
       兼 ワールドオーケストラシリーズ w/諏訪内晶子
http://eplus.jp/sys/web/s/woswps/index.html
http://www.kajimotomusic.com/concert/index.php?main_content_exp=460
2)11/27日 富士電機スーパーコンサート@サントリーホール w/ダヴィッド・フレイ
http://www.kajimotomusic.com/concert/index.php?main_content_exp=473
3)11/20日 @みなとみらい
4)11/19土 NHK音楽祭@NHKホール w/ダン・タイ・ソン
http://pid.nhk.or.jp/event/PPG0094821/index.html
http://ticket.pia.jp/pia/ticketInformation.do?eventCd=1107124&rlsCd=001

さて、ここで冒頭の、深い悩み。

ヤルヴィも株が上がってます、なんといってもパリ管ですし。
さて、サントリーホール公演のお席料は。S席26,000円(プラチナ券31,000円も)。
参考としては、昨年10月のロンドン響+ゲルギエフがS席28,000円ですよ!ゲルギエフ並み…!?
横浜公演は未発表ですが、NHK音楽祭でも、S席 18,000円(SS席 20,000円)。
昨年のNHK音楽祭、ヤルヴィ+カンマーはS席12,000円。値上がり6,000円分のうち、カンマーとパリ管の差額ぶん、ヤルヴィの知名度アップ差額ぶん、どんな割合?単純にジャニーヌ・ヤンセンとダンタイソンのソリスト差額だったりして…!

上記4つのコンサート全てにS席で参戦したら、私は破産するわけです。10月にもパッパーノ+サンタ・チェチーリア管弦楽団や、樫本大進などが控えているし。
でも!ヤルヴィをS席以外で聴くなんてもったいないこと、果たして出来るのか!?全部プログラム、異なるんだよ…!?

発売は5月。悩み抜く日々に突入です。

2011年4月19日火曜日

私のクラシックシーズンスタート!まずは読響定期で。

at サントリーホール Suntory Hall

クラシックの今年度、今日よりスタート。
3.11後、震災の中で中止になる公演も多いけど、そろそろ始まりました。

今年は幅を拡げようと、読響(Yomiuri Nippon Symphony Orchestra)の会員になった。定期的に(毎月)通う状態にすることで、好きな奏者や指揮者の演奏会の無い月の寂しさを回避する目的がひとつ。もうひとつは、私は知識も無いのに好き嫌いが激しいため、特定の作曲家や演奏家に偏りがち。強制的に決められた曲を聴かせられる「定期演奏会」で、新たな発見を得て、頭を柔らかくする目的。

読響は5種類の定期演奏会(シーズンプログラムという)がある中で、「定期演奏会」と「名曲シリーズ」で迷ったが(平日夜でサントリーホールじゃなきゃ嫌なので、この2つに絞られる)、「名曲シリーズ」に通うことにした。

ただ、16(土)オペラシティのマチネと本日サントリーの「定期演奏会」からシーズン2011〜12スタートなので、こちらも行っておく。
カンブルラン Sylvain CAMBRELING指揮でピアノがロジェ・ムラロ Roger MURAROという方で、メシアンやラヴェルの名手らしい。そんなメンバーなのでフランスプログラムなのです。今来日してくれる外国人はそれだけで有り難いが、なにせ、フランス人ですからね…!他の恐れる原発大国のフランス人達よ、ジェーンバーキンや今日の彼らの勇気を見よ!

仕事で遅れてしまったので、ロミオとジュリエットは聴けず。ばか。
ラヴェルのコンチェルトは管楽器も派手でとっても楽しかった。第2楽章のフルートソロとイングリッシュ・ホルンのソロが美しかったなあ。ピアニストがフルートソロの時にとても嬉しそうに奏者を見ていたのがとても気持ちがよかった。あの表情を見られるのはP席の特権。はい、もちろんピアノコンチェルトには全く向かない席ですけどね!(笑)

同じくラヴェルの「左手のためのピアノ協奏曲 Le Concerto pour la main gauche en ré majeur」を初めて聴いた。激しいなー。ピアニストが演奏後なかなかアンコール演ってくれなくて、左手ぶらぶらっておどけてたけど、そりゃそうでしょう。
こういう発見が定期の楽しみ。

ある演奏会にトラで出演していた際に私が一目惚れしてしまった読響のチェリスト、やっとボレロで出てきました(10人構成だから)。演奏は素晴らしかったはずだけれど、彼しか見ていなかったので、あまり耳がアテにならない(笑)。
弓を取った瞬間から(この曲は、チェロはしばらくずーっとはじいてるだけなのです)、ここぞとpassionateに身体を揺らす奏者も多いけど、彼の抑えた感じ+指使いの美しさが、やはり素敵でした。何の感想だ? :p)

とにかく、私のクラシックシーズンは、好調スタート!
来週は名曲シリーズで、チェコ・プログラム。


【開催日時】
2011年4月18日(月)19:00開演

【出演者】
指揮:シルヴァン・カンブルラン(読売日響常任指揮者)
ピアノ:ロジェ・ムラロ
読売日響

【曲目】第503回定期演奏会
プロコフィエフ/バレエ音楽〈ロミオとジュリエット〉作品64 から抜粋 Sergei Sergeevich Prokofiev / Romeo and Juliet op.64
ラヴェル/ピアノ協奏曲 ト長調 Joseph-Maurice Ravel / Concerto pour piano et orchestre en sol majeur
ラヴェル/左手のためのピアノ協奏曲 ニ長調  Ravel / Le Concerto pour la main gauche en ré majeur
ラヴェル/ボレロ Ravel / Boléro
<<アンコール>>
メシアン/プレリュード Messiaen / Prelude

【公演の詳細】
http://yomikyo.or.jp/2010/09/201104181900.php



2011年4月17日日曜日

『アーティスト・ファイル2011』@新美術館

at 国立新美術館

毎年新美で3月にやっているアーティスト・ファイル。
アートナイトの時期なので、アートナイトプログラムのひとつなのだけど、今年は残念なことにアートナイトを中止にしたため、切ない思いを抱えながら、AF鑑賞。
中井川由季さんという彫刻家の作品、良かったあー。初めて知った方でした。
Bjørn MELHUSの映像作品も、展示の仕方も素敵だった。
松江泰治さんの写真群(二部屋もあって見所がっつり!)も、映像作品も素晴らしい。

http://www.nact.jp/exhibition_special/2011/af2011/index.html

2011年3月19日土曜日

『ハーーートビーーート展 give a kiss to our times HEARTBEAT』@ワタリウム美術館

at ワタリウム美術館


『ハートビート 展 時代にキスして』
2011年1月22日(土)〜4月17日(日)

河原温やヨーゼフ・ボイス、ジョン・ケージ、マグリットなど、ワタリウムのコレクションの凄いこと。楽しかったー!

【展覧会詳細】
http://www.timeout.jp/ja/tokyo/event/1063

2011年1月16日日曜日

ショパンコンクール入賞者ガラコンサート 仙台初日の感想

at 東京エレクトロンホール宮城(仙台)

プログラムを読むまで知らなかったが、本日の仙台公演がこのジャパンツアーの初日だそう。腕鳴らしか…ちょっとつまらないけど、一等最初に聴けるから満足ということにしよう。

まずは5位?のフランス人 Francois Dumont。いきなりYAMAHAかー!頷ける、華は無いけど、繊細で柔らかな思慮深さを感じるプレイ。


Ingolf Wunder, Steinwayに変えてピッタリな、華やかな天真爛漫系、楽しむ才能がある人。プロ活動増えて深みが出て来たら人気が出そうなピアニストなんだろうな。

LucasGeniusas, あら渋くていい男~と思ったら、一転、ピアノは重い重い(笑)、独創的、粘着質!前出の軽い彼より、よっぽど好みです!この彼のコンチェルト1番を聴いてみたいわ。どんなねばっこい恋の曲になるのか。

Daniil Trifonov, コンチェルト1番。清潔で優しい、田舎の好青年といった趣。私の好きなキラキラ系の音を出すピアニストでした。美しいんだけどもう少しメリハリが欲しい。輝きはあるんだけど煌めきは無い、私は付き合ったら飽きちゃう男かも、みたいな音。もちろんこれは好みの話ですが。若い新芽には産毛があるから朝露を含んで朝日に輝きますよね。ただ私は、その産毛がいらない、と思ってしまう。つるんとした質感の方が好き


トリは優勝者Yulianna Avderva,
んー。香水の香りがここまで香ってきそうな、重たーい音に、最初は辛かった。
一音一パッセージが、いちいち主張が強い!

強い解釈と実力があるからこそだと見えてくると、今度は雑な色気と貫禄を兼ね備えたインテリに聴こえてくる。

多分実力者なんだろうねやっぱり、最終楽章近づく頃にはあんなに下手だった(ソリストに寄り添い過ぎていて、阿ってる漢字で気持ち悪かった)オケも落ち着いて聞けるようになった。ピアノが引っ張ったということか。

個人的には好きなタイプの音じゃないけど、こういう音楽も聴いて、自分の鑑賞の幅を拡げなければいけないな、と思わせてくれた、強い力を持った演者に感謝でした。

【出演者】

フランソワ・デュモン(第5位)
インゴルフ・ヴンダー(第2位)
ルーカス・ゲニューシャス(第2位)
ダニール・トリフォノフ(第3位)
ユリアンナ・アヴデーエワ(第1位)


【公演の詳細】
http://www.japanarts.co.jp/html/2011/chopin_gala/index.htm

【ちらしのPDF】
http://www.japanarts.co.jp/html/2011/chopin_gala/images/flyer.PDF