2011年11月20日日曜日

タン・ドゥンの現代組曲、明暗分かれたソリスト

at サントリーホール
「サントリーホール フェスティバル ファイナルコンサート
 譚盾/マーシャルアーツ三部作~映像付き演奏会」
 2011年11月20日(日)

一日にうん万円のオケを2公演も梯子するってのは、流石に私もなかなかやりませんがね。
みなとみらいホールにサントリーホールとは!ヴィンヤードの最高峰とシューボックスの最高峰。うーんなんとも贅沢。
昼はロマン派、夜は現代。すごいね。しかも映像付きコンサートだよ?邪魔だけど(後述)。

サントリーホールの25周年を記念したフェスティバルのファイナルを飾る組曲です。2010年の上海万博で初演し、その後ニューヨークでも演奏、この東京が3回目なのだそう。
タン・ドゥンの指揮って初めて見ましたが、いかにもニューヨークのインテリって感じがする。私だけかなあ。

ソリスト達は、明暗分かれたように私には思える。
五嶋龍くんは当たり。彼の持ち味が生きた楽曲だったと思った。そう、ものにしてた。
若いチッケーゼくんは、可哀相かも。もともとヨーヨー・マを想定して描かれた楽曲。この若者には未だ手に負えないのでは、と思えた。
でも、ヨーヨーマとこの若者じゃしょうがないよね、と誰もが思えると思うのだけど、私の大好きなユンディが最も可哀相なパターン。
この楽曲、そもそもソリストが生きる曲じゃ無いでしょ、ぜんぜん!!!しかもランラン想定で描かれた楽曲だと!?それを繊細なショパンを大得意とする、私のキラキラくんユンディに弾かせるなんて、ミスキャストもいいところ。
こんな曲、低音も高温もガンっガンっと格好付けて派手なパフォーマンスで叩き付けちゃうランランに弾かせておくぶんには良いけど、ユンディやベレゾフスキーや私の好きなタイプのキラキラピアニストが弾く意味、ゼロじゃん。

演奏後のユンディも申し訳無さそうな感じ。彼が弾き込んで無い感じも、明白だった。彼の手元がピアノの上で躊躇するのなんて、見たくなかったよ。
くっそお。不満だね。
客寄せパンダなのは分かってる(ユンディの公演でいつもGUCCIのプレゼントを舞台で渡すおばさまがきちんとピンクドレス来て客席から登場)。でもさ、もうちょっと考えてよ。パンダならランラン使えばいいじゃん。お後がよろしいようで。(落語のオチのつもりー!)

ちなみに、楽曲自体は素晴らしかったです。もうちょっと練ってちゃんとした組曲にすれば良いと思う。
VJ入れた映像は、しょせん映画のストーリーを追わせているので(チャン・イーモウのHERO、アン・リーのグリーン・デスティニー、フォン・シャオガンの女帝。私3作品全部観てたわ、へえ〜)、映像あったらそっち観ちゃって、演奏会なのに邪魔だなあって思っちゃう。
途中から、ああこれはオペラなんだって思うようにしたけどね。舞台を観て音楽を聴く、両方一緒にやるものだ、と。

【開催日時】
2011年11月20日(日)18:30開演

【出演者】
指揮:譚盾
出演:五嶋龍(Vn)、アメデオ・チッケーゼ(Vc)、ユンディ・リ(Pf)
合唱明治学院バッハ・アカデミー合唱団、聖心女子大学グリークラブ
演奏:東京フィルハーモニー交響楽団

【曲目】
譚盾(タン・ドゥン)
: 映画「英雄(ヒーロー)」協奏曲~ヴァイオリンのための
: 映画「グリーン・ディスティニー」協奏曲~チェロのための
: 映画「女帝(エンペラー)」協奏曲~ピアノと合唱のための

【公演の詳細】
http://www.suntory.co.jp/suntoryhall/sponsor/111120.html

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