「志らくのピン 古典落語編」
2011年11月21日(月)
月に一度の「志らくのピン 古典落語編」。
この「ピン」は、志らく師匠の噺が三席も聴けるから本当にお得。
志らく師匠のチケットは即完売のイメージがあるけど、ピンの大和田伝承ホールはキャパ339席。満席ではない。これが師匠の狙いで、当日落語行こうか、と思った方もふらっと来れる環境を作りたいという志らく師匠の意図だそう。8割9割の入りで、意図通りの展開になってるということですね。
らく次さんの『金の大黒』。絶対前にも聴いたと思うんだよなーこの方のこの根田。でもいつだろう…。つい最近かと思って先日と同じ根田ですよね?と聴いたら、「この間は違いますよ」と言われちゃった。ああそうだ、引越の夢だった。その日は3時まで飲んだらしい。談春師匠、恐るべし!
今日の一席目は、落合好きの志らく師匠、何故落合が好きかについて自分と同じ変わり者だからといった話や、チームが好きか個人が好きかといった応援論、そして中日ドラゴンズの本拠地名古屋に観戦に行った際の応援の喧しさ、大リーグの観戦席と比べ、終いに客席の野次ってえのは面白くて…って話から、酔っぱらいとは面白いもんで、で『代り目』に。
前にも書いてますが、志らく師匠の女性の表現ってのは、かわいらしいんですよ。いじらしい。今回この話の女房はさっぱりかわいらしく無い。代わりに、夫が可愛い。可愛くない女房をね、本当はうちのおっかあ可愛いトコロあるんだよ、って語るのが、愛に溢れてて可愛い。
とにかく、志らく師匠のカップルの愛情表現は、いいなあ〜。
二席目の『宿屋の富』はイリュージョン系。いつもの江戸っ子の「えぇいっ」とか「吹き矢」を見れて今日も幸せ噛みしめる。富くじが外れてがっかりする町人が、唇が外れてぷるぷるぷるぷるぷるって宙を飛んでたりする。ぷるぷるぷるぷるって!ああ楽しい。
あ、志らく師匠に言わせると(著作にも書いてるし、よく仰ってるけど)、映画の評論でタチの悪いのは映画の筋を説明する輩。語ることが無いから筋を書く、評論でも何でも無い最悪だ。と。そりゃそうですよね。で私、今、志らく師匠の落語で何が起きたか(つまり筋)説明してる。最悪ですね。ふふふ。
中入り後の『鰍沢』は、ファンタジックサスペンスホラー。
終盤の情景が見えるような表現は、さすが無類の映画好きで演劇もやってる師匠だからこそのアレンジ。断崖絶壁、眼下の激流から吹き上げる風にざんばら髪を逆立てられたお熊が、火縄銃を手ににやりと笑う映像、浮かんだ!!
それにしてもお熊、心中から生き残っただけでも凄いのに、額に銃弾受けても生き残る(生まれ変わる?乗り移る?)なんて、復活し過ぎじゃない!?ホラー映画だ〜。
高座後、ぴあのTさんとおしゃべりの際に、演劇、映画、歌謡…志らく師匠の幅の広さって素敵だよねという話になるが、今日の鰍沢の表現って、本当にハリウッド映画にありそうだもの、志らく師匠ならではだと思うんだよなあ。
落語素人・志らく素人の私の感想なのでアテにならないが、志らく師匠の全ての活動が全部落語の奥行きに繋がってるんだなって、改めて感激。
聴き比べたくて、家に帰って志ん生の鰍沢を聴く。
【余談】
こ〜〜んなに嬉しいことは無い。ピンのプログラムには志らく師匠の1ヶ月の一行日記が書いてあるのだけど、今日は11月21日だから、10月14日から11月19日までの日記が書いてある。10月25日の日記は、なんと私の仕事の話!!10月15日はぴあのTさん主催の落語会の話が。「嬉しいですよね〜〜」と言い合い、帰った。幸せです。
【開催日時】
2011年11月21日(月)19:30開演
【出演者】
立川志らく
【演目】
『金の大黒』らく次
『代り目』志らく
『宿屋の富』志らく
中入り
『鰍沢』志らく
【公演の詳細】
http://www.shiraku.net/?p=1447
0 件のコメント:
コメントを投稿